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ワタシの移住の決め手
「夫婦で地域おこし協力隊!から始まった」
相川武士さん・千晶さん(移住歴4年)の移住の決め手
家族構成(移住当時)
相川武士さん(34)/千晶さん(38)
/士朗さん(1)
移住歴:4年(2017年~)
移住エリア:東京都文京区→千倉エリア→富山エリア
移住を検討するひとつの手段として、総務省が推進する「地域おこし協力隊」という選択肢があるのをご存じでしょうか?人口が多い地域から人口減になっている過疎地域へ移住して、地域支援活動を推進し、地域を盛り上げるとともにその地域への本人の定住を図る制度です。 今回は、夫婦でその地域おこし協力隊の制度を使って子どもと一緒に移住した相川武士さん・千晶さんご夫婦にお話をうかがいました。
地域おこし協力隊としての移住を検討
関西出身で南房総への移住前は東京で仕事をしていた相川夫妻。東京以外での暮らしを考えたのは子どもが誕生してからでした。
「出産前後に夫婦一緒に1年間育児休業を取っていて、復帰を考え始めた時に子どもを入れられる保育園が見つからなくて。東京の便利さやネットワークも魅力的だったのですが、もっと子育てしやすい場所で子育てしたい!と思ったのが、移住を検討したきっかけですね。どこに移住しようかなと思ったとき、知人が地域おこし協力隊をやっていて興味があったので協力隊の募集を調べ、南房総市の募集を見つけました。夫婦ふたりで地域おこし協力隊になれたらいいと思っていたので、当時3名の募集枠があった点と今まで生活していた東京と近い点、自然豊かで温暖な土地柄が決め手で応募しました。ありがたいことにふたりとも採用していただき、2017年10月に南房総にやってきました。」
子育てしやすい場所だった南房総
寒さが苦手であたたかい土地で生活したかった武士さんと自然が多い場所で子育てがしたかった千晶さんの希望、両方の希望がかなえられた南房総生活。子育て面でもよかったと千晶さんは言います。
「着任当時はすぐに保育園に入れなかったので、一時預かりを利用したり、私がまだ1歳だった子どもと一緒に電車で職場に行ったこともありました。その中で、子どもや母親である私に対してみなさんとても好意的で、感激したんです。ベビーカーでそのまま電車に乗るだけでも冷ややかな目を向けられてしまうこともある東京ではまず考えられないことだったので、嬉しかったですね。今息子が通っている保育所でもきめ細やかな保育をしてくれていて、満足しています。今の岩井の自宅からは海まで歩いて10分程度で木々も多く、自然のすぐそばで家族で生活できていることも嬉しいですね。自宅の近くにはのびのびあそべる公園もあって、子どもはブランコがお気に入りです。」
地域おこし協力隊卒業後の活動
2017年11月から、武士さんはインバウンドを含めた観光事業、千晶さんは南房総の自然環境を活かしたヘルスツーリズム事業について地域おこし協力隊として活動し、2020年10月に3年の任期を終え、卒業。
任期を終えても南房総に定住しようと決めていたふたりは、それぞれの興味や得意を活かして新しい活動をはじめました。活動の拠点は富山エリアの岩井駅前に借りている店舗スペースもある自宅。店舗スペースを『岩井駅前交流拠点 boccs(ボックス)』と名付け、イベントスペースとしても活用しています。
語学が堪能でIT系の知識が豊富な武士さんは、
「『房総情報合同会社』という会社を立ち上げ、地域のIT屋として活動中です。観光事業者メインで、特に拠点のある富山エリアですすめていきたいなと。岩井地区には民宿が多いのですが、年配のオーナーがほとんどで、IT支援が必要な場合が多いんです。今ここで本当に必要なローカルに寄り添ったIT提供をしたいですね。」
子育てや自然に興味があり資格も持つ千晶さんは、
「自然の中での自主保育サークルを作っているママ友と一緒に、『olaga(オラガ)』というサービスを立ち上げました。私もそうだったんですが、自然を求めて旅をしても、自然との繋がり方や遊び方を知らないため、ただの観光で終わってしまう、という人も多いのではないかと思います。南房総の良さをもっと深く知ってもらえるような、地元ならではの子どもたちの自然遊びや大人の癒やし体験、託児など、親子旅のサポートをできたらと思っています。」
そして、夫婦で取り組んでいるのがboccsでの教育活動。
「自然豊かな南房総の環境は素晴らしく、子どもに良い影響があると思うのですが、多様な教育に触れる選択肢がまだ少ないのが現状です。ふたりで協力して、個性やクリエイティブ精神を大切しながら、探究心や自主性、知的好奇心を刺激する教育活動ができればと思っています。」
さらにboccsでは定期的な映画上映会、作品展示会やイベントなどもおこなっているそうです。
移住検討者へアドバイス
「地域おこし協力隊としての移住もオススメです」
地域おこし協力隊として移住する大きなメリットは、金銭面やネットワークなど市のバックアップを受けることができ、地域へも早くなじめることが挙げられます。相川夫妻からも移住検討者へのアドバイスをもらいました。 「移住検討時には情報収集はとても大切です。私たちは地域おこし協力隊をきっかけに移住したので、市のバックアップで情報や人脈を得ることができました。それがとても助かったので、今度は私たちが移住検討時の現地情報サポートのようなことができればと思っています。boccsに気軽に足を運んでもらい、移住者である私たちに声をかけてもらえたら嬉しいです。リアルな情報をお話しますよ」 (本記事の内容は2021年取材当時のものです。)