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よぜむファーム 山木さん

よぜむファーム(よぜむファームカフェ)

・住所:〒299-2417
 千葉県南房総市富浦町丹生370番地
・電話:090-6528-1381
・mail:yozemu.farm@gmail.com
・web:
 https://yozemu-farm.jimdofree.com/
・営業時間:
【カフェ】土日営業 12:00~16:00

富浦の果樹園 よぜむファーム

富津館山道路富浦ICを降りて、すぐ目の前に広がるのはビワの産地で有名な富浦町。

その富浦町で平成28年から主にビワやイチジクなどを栽培し販売をする『よぜむファーム』。令和5年には、農園のなかにカフェがオープンしました。

ファームのオーナーは、富浦町にUターンし、OLから果樹農家へと転身した山木こずえ(やまきこずえ)さんです。
今回は、山木さんに専業農家にいたるまでのお話やお仕事の内容についてお話を伺いました。

◆ご出身とこれまでの経緯を教えてください

生まれは富浦町です。家はビワ農家で、祖父、両親が一緒に働いていました。私が小学校4年生のときに親が農家を辞めて転職して引っ越し、以後は館山で育ちました。

その後私が進学して館山を離れ、大学を卒業後、都内で地方活性化を支援する会社に就職して9年経ったとき、祖父が亡くなったという知らせが届きました。11年前のことです。残された祖父の家を管理するのが大変だということで「手放そうか」という話がでました。その時、思わず「ちょっと待って!」と手を上げました。
そのときは「この場所を守りたい」という一心で、農家を継ぐという決意はまだ持てていませんでした。それでも漠然と「農家を継ぐことになるのかな?」という意識はありましたね。

それから間もなくして東京から館山に戻り、1年間くらい準備期間を経て、平成28年に『よぜむファーム』を始めました。

◆南房総市の魅力、不便に感じるところはありますか?

魅力は、温暖な気候で住みやすく、ちょっと行けば海や山もあるところですね。この辺では一時期蛍がいなくなってしまいましたが、最近戻ってきたことがうれしいです。

不便に感じるのは、飲食店での土日ランチが予約が必要と感じること。週末はお客様が多いので仕方ないのですが、以前は思い立って行くということが出来ず、ランチ難民になったり同じところへ行くことが多かったです。

◆専業農家になろうとしたきっかけは何ですか?

東京でOLをしながらも時折、実家に帰省した際にはビワの収穫などを手伝っていました。
ある時、ビワが豊作でたくさん採れた年があり、「(自分達が頑張って収穫した)ビワの実をどんどん売らなきゃ!」という想いが湧き上がり、都内で一人で営業したり販売したりしました。
販売の過程でめぐりあう「果実がつなぐご縁」がおもしろく、忘れられない経験になりました。
会社ではすべてにおいて上司の許可が必要で、決められたことをやる、というスタイルだったので、「自分で決めて、自分でやる」ということがすごく新鮮に感じられました。
農家の仕事って、あんがい自分に意外と向いているかも?と思うようになったのです。
幼い頃からビワの収穫するお手伝いしていたこともあって、ビワ栽培の1年間の流れを少しは知っていたので、「とりあえず、やってみないと!」という気持ちから東京から移住することにしました。

実家に戻り、農園を始める準備期間として1年間ぐらい、ビワの栽培をしながら土日には他にアルバイトもやっていました。徐々に体力的にキツく感じ、「今よりもビワの加工品づくりをもっとしたい、加工食品作りに専念すればなんとか生活が成り立つのではないか」と思うようになり、アルバイトを辞めて農業に専念しようと、専業農家になる決心を固めました。

【枇杷の木】

【枇杷の木】

【枇杷の実】

【枇杷の実】

◆よぜむファームの事業内容を教えてください

現在はビワの栽培だけではなく、大のイチジク好きの母の影響もあって、イチジクも栽培するようになりました。イチジクのなかでも”黒いダイヤ”との呼び声が高い『ビオレソリエス』という品種と出会って、それまで私自身は苦手だったイチジクが世の中で最もおいしい果物と思うようになりました。その後、ビオレソリエスの栽培方法をしっかりと習い、実がなりにくい品種ではあるものの、少しづつ収穫できるようになりました。
今では13種ものイチジクを栽培しています。
初夏にビワ、夏から秋にかけてイチジク、冬には菊芋(きくいも)を作っており、採れた果樹や野菜を加工して、ジャムや味噌、ドライイチジク、イチジクやビワの葉茶、イチジクのコンポート、菊芋チップスなど販売しています。

また、2019年の令和元年房総半島台風でビワの被害があったため、経済的な挽回を図るために加工所兼カフェをつくりはじめました。
農家の納屋として使っていた部分を仲間と共にDIYをし、内装関係などはプロの建築デザイナーに任せるなど改修し、現在のカフェを作ることができました。2023年にカフェをオープンさせ、現在約1年経ちました。周りの農園風景を楽しみながらイチジクのスイーツを食べられます。

【イチジクの実】

【いちじくのバターケーキ】

【いちじくのバターケーキ】

【赤のいちじくジャム(200g)】

【赤のいちじくジャム(200g)】

◆これからの展望や目標を教えてください

今行っている仕事を維持しつつ、『みんなのセカンドフィールド』を作っていきたいです。
具体的には、農園内にある、今私が住んでいる家をみんなが泊まれる家に手直しし、訪れた人が癒されるリトリートの場所として提供していきたいと考えています。真菰(まこも)や菊芋掘りなどの農業体験や自然に触れ合う体験も参加者と一緒にしていきたいです。

参加者自身がやりたいものを自分で選びとって体験し、”自分と自然とを対峙できる時間”を提供できる場所作りが、今後の目標です。

【引き継いだ祖父の家】

【引き継いだ祖父の家】

【家の周りで飼っているニワトリたち】

【家の周りで飼っているニワトリたち】

◆南房総市で起業を検討している方にアドバイスをお願いします

いろいろな人とつながって欲しいと思います。人との繋がり作りは、すごく大事です。業種に関係なく、またご近所同士でもコミニュケーションを取り合うことで、ちょっと手を借りたい時や災害時にもお互いに助け合うことができます。
あと南房総市には起業を応援する補助金制度があるので、それを大いに活用するといいと思いますよ。

【販売先】

※事前予約にて農園でも販売しています。

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