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くじらのもり 白井芙季子さん

合同会社くじらのもり

・電話:090-5549-6715(白井)
・mail:info@kujiranomori.com
・web:https://kujiranomori.com/

自然の中で遊ぶことの楽しさを教えたい

自然体験ツアーを通して、自然の中で遊ぶことの楽しさを教えてくれるくじらのもり。

夜の海でウミホタルを捕獲する体験や、天然のウォータースライダーを楽しめるキャンプなど、様々なツアーがあります。それらは南房総の海、山、森をメインフィールドに行われています。

2024年の夏、大盛況のシーズンを過ごしたくじらのもりの白井芙季子さんにお話を聞いてきました。

◆これまでの経歴を教えてください

秋田県出身です。

大学進学を機に上京しました。東京での生活は刺激的で楽しかったです。ただ、同時にストレスも感じていました。東京にあるものは、全て人間の頭で作られた人工物なんですよね。人間も自然の一部なはずなのに、物理的にも感覚的にも自然ととても離れたところでの生活は、なんとも言えない心地悪さがありました。

そこで環境教育学専攻がある大学院へ進学し、新潟の柏崎で自然学校に就職、その後千葉の大多喜に移り住みました。

君津亀山青少年自然の家で働いていた際、夫と出会い、結婚して今に至ります。

◆くじらのもりを創ろうと思ったきっかけは何ですか?また、実際に事業をはじめてみてどう感じていますか?

元々自然が大好きで、「自然の中に人を連れ出したい」という想いがあったので、それを形にしました。

夫と仕事ができたら楽しいだろうなと、ずっと思っていました。君津亀山青少年自然の家で一緒に仕事をしていて、彼の仕事ぶりは知っており、信頼していたので。そこにいろいろなタイミングが重なり、2023年に開始することになりました。
夫は南房総出身で地元愛がある人なので、地元を盛り上げたいというのもきっかけの一つです。

事業をはじめてからは…思っていた10倍楽しいです!!夫婦のコミュニケーションも増えました。デートは基本フィールドの下見も兼ねており、先日の結婚記念日も磯にいました。

正直なところ、経営はなかなか安定しません。事業内容的に、どうしても天候に左右されますし、集客がうまくいくとも限りません。核になる事業がいくつも必要だと感じています。
それでも、自分たちが楽しいと思うことを形にして、喜んでもらえるのは嬉しいです。

夫婦それぞれの経験があるので上下関係がなく、お互いを尊重して仕事ができているのもうまくいっている要因かもしれません。男女の違いも含め、お互いの個性で得手不得手をうまく補い合っている感じです。
夫婦喧嘩がツアーのパフォーマンスに影響するというネガティブ面もなくはないですが(笑)

◆事業の特徴を教えてください

夏だけではなく、一年を通してツアーを企画しているのですが、ツアーのアイディアは自分たちの体験と経験ですね。

私はくじらぐもという自主保育サークルを主催していました。そこで見つけた遊べるフィールドがいくつもあり、今のツアーにも盛り込んでいます。あとは、自分がやってみて楽しい!感動した!と思うことを、みんなでやるにはどうしたら楽しくなるだろう?という感覚で企画しています。

地引網のイベントは、それまでのツアーに参加いただいた方に”感謝”の想いを伝えたくて企画しました。感動体験と想いがツアー企画の原点になっています。

【海ツアー 磯観察をしたり泳いだり ライフジャケット着用で安全対策もばっちりです】

【川ツアー 沢を歩き、そして釣りもします】

【山ツアー 山頂でたこ焼きパーティをしたことも】

また、子どももスタッフとして参加することもあります。経緯としては、私が子どもと一緒にいたかったというのが最初のきっかけです。仕事もしたいけれど、子どもとも一緒にいたい、それなら仕事場に連れてきてはどうだろうかと。

長女は実はインドア派なところもあり「今回はいきたくない」という日もあるので、そこは意思を尊重するようにしています。最近は「地元の友達向けにイベントがやりたい」というので、一緒に企画やチラシ作りをしました。

長男は「遊ぶことがお仕事だから!」と言って張り切ってくれています。ツアー中、大人から何かを教えるよりも、子どもが同じ目線で教える方が何かを感じ取れるのでしょうか。あっという間に子ども同士仲良くなって、自分たちで楽しみ方を見つけています。本当に名ガイドです。

また、親が働いている姿を近くで見せられることや、人からありがとうといってもらうことの尊さを幼い頃から感じてもらえるのもよいですね。

【スタッフとして参加する娘さん お客さんのお子さんと楽しそうに話をしています】

それから、わたしたちがかかげるミッションの中に「南房総ならではの自然を活かした経済循環が生まれること」という言葉があります。

我々にとって日常である自然も、普段自然の中にいない人にとっては非日常です。そんな方たちを自然の中に連れ出すとき、経済的価値が発生します。

そこで発生した経済価値を、南房総地域に住む人たちの営みや、自然環境が持続的に未来につながるような活動に繋げていく必要があります。

それら全てが繋がり循環することが南房総ならではの経済循環だと考え、ミッションにしています。

【ふきこさんと息子さん、そしてお客様のお子さんたち】

◆南房総ならではのメリットや苦労している点はありますか?

東京を含めた都会が近いことは、南房総のメリットだと思います。実際、東京やその近郊からくるお客様が多いです。

またフィールドも豊富です。海だけでなく、山や森もあります。

秋冬は課題ですね。一年を通して暖かく、秋冬でも外遊びができる点はメリットだと思います。ただ、秋冬はどうしても人の動きが少ないので、ツアー以外にも収入源を確保する必要があると思っています。

◆今後の展望を教えてください

事業規模をもう少し拡大していきたいですね。

今は自然体験ツアーが核になっていますが、核になる事業をもう少し増やしたいです。柱を増やすイメージです。地元のネットワークも活かしながら、くじらのもりを通じて自然と関わる人が増えていってくれたら嬉しいですね。

あとは、もう少しディープなツアーもやりたいですね。大人向けのツアーや、子どもだけのキャンプなど。我が家の長男の年齢も上がってきたので、より活動的な親子向けのツアーもできそうです。

【バックヤード ここからまた新たなツアーが生まれます】

◆起業を検討している方へアドバイスがあればお願いします

自分がワクワクするものを形にしていける楽しみこそ、起業の醍醐味だと思います。

南房総はプレイヤーが少ない地域でもあるので、ぜひチャレンジしてみてください!
その際はぜひ協力しながら、一緒に地域を盛り上げていきましょう!

【くじらのもりのスタッフみんなで】

【くじらのもり 情報】

※情報はすべて2024年10月現在のものです。

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