People

「起業も自然に寄り添った生活もできる」
安藤壮さん・未夏さん(移住歴6年)の移住の決め手

家族構成(移住当時)

安藤 壮さん(44)
/ 未夏さん(38)
/ 安藤愛南ちゃん(2017年生まれ)

移住歴:6年(2016年~)
移住エリア:神奈川県→白浜エリア

移住をして起業をしたい!という夢を持つ人は少なくないと思いますが、実際に見知らぬ土地に住んで起業するのはハードルが高いでしょう。その時に頼りになるのが、自治体や商工会のサポートや人とのつながり。今回は、南房総らしい縁とサポートで夫婦そろっての夢だったリトリート施設設立に挑戦した安藤壮(たけし)さんと未夏(みか)さんにお話をうかがいました。

インドと南房総は似ている?

山梨県出身の壮さんと広島県出身の未夏さんの出会いはインドでした。当時、未夏さんは横浜でヨガインストラクターをやっていて、ヨガを深める勉強をしたいとインドへ出発。循環型のレストランをしたいと海外へ旅立つと、インドのエコヴィレッジ『オーロヴィル』に立ち寄った料理人の壮さんに出会い、同じ日本人で共通点もたくさんあることから意気投合。「いつかリトリート施設をふたりでやってみたい」と夢を語り合いました。
その後、未夏さんは当時住んでいた神奈川県へ戻り、壮さんはその数か月後に帰国。料理人のスキルを活かして、南房総市白浜エリアのホテルに住み込みで働き始めます。
「特に南房総に来たかったわけではないのですが、実際に住んでみるととてもいいところで。趣味のサーフィンもできるし、何より雰囲気が最高でした。白浜の根本海岸は、海がきれいで人がいなくて、コーヒーショップでおいしいコーヒーが飲めて……。ちょっとさびれた感じときれいな海とオシャレなカフェがミックスされた南インドの半島に似ているな、と感じました」
当初、しばらくしたらまた海外へ行こうと思っていた壮さんでしたが、リトリート施設に使えそうな白浜の物件に出会い、南房総の東京や空港へのアクセスの良さも魅力で、その物件に住むことを決意。2015年冬に結婚した未夏さんの妊娠を機に、2016年に夫婦で完全移住しました。

リトリート施設設立へのサポート

妊娠時、未夏さんは39歳。いわゆる高齢出産になる年齢でしたが、自然により近い出産をしたいと南房総市三芳エリアの助産院に相談。受け入れてもらえ、希望に沿った出産で長女の愛南(あなん)ちゃんが誕生しました。
産後は、次のステップとしてリトリート施設設立を目標に動き始めます。
「実は、最初の白浜の家を事情があって期限が来たら出なければならなくなって。夫は『白浜豆腐工房』をはじめ、イベント出店や豆腐の販売などをおこなっていて忙しかったので、私は施設にできる場所を探しながら、リトリート施設の起業を考えていました。そんなときに、Uターンで起業した友人に教えてもらったのが、『南房総市創業支援セミナー』でした」
『南房総市創業支援セミナー』では、創業に関する基礎的な知識を学んだという未夏さん。
その後、商工会へ入会し、実際に使える制度やその使い方を教えてもらいました。実際に起業に使った市の制度は『南房総市新たな仕事と雇用創出支援事業補助金』。移住者で子育て世帯であることも加味されて補助額が増えました。また、施設にする物件の購入時にも商工会の協力で日本公庫からの融資も決まり、さらに『南房総市中小企業者融資資金利子補給事業』で利子の補給も受けることができました。
「移住と起業をしたい人にはピッタリの制度で、南房総市は起業を応援する気持ちがあるところなんだなと感じました。実際にとても助かりましたし、市の担当課や商工会もみなさん良い方で。Uターン移住で子育て中のママ職員さんには、環境が近かったこともあり、色々とアドバイスをいただけて助かりました。起業を考えている人は、その意思を市や商工会に相談してみるといいと思います」

全てがととのう南房総

自然に囲まれた場所でのヨガで心身をととのえる

友人やこれまでの人のつながりで現在の施設となる物件を購入した安藤夫妻。2019年10月に総合リトリート施設『SUNAO Retreat 奥白浜』をオープンさせました。朝晩の壮さんの体にやさしくおいしい料理や未夏さんにヨガ体験、里山散策や海でのSUPアクティビティなど、日常生活をリセットしストレスや疲れを癒してくれる1組限定のリトリートの場を提供しています。
「私たちが大切にしているヨガの精神は生き方そのものの考え方でもあります。体にやさしく体が喜ぶ食事をして、ヨガで体を動かし瞑想をして、自然を感じて、心身共にととのって『本来の自分に還って』もらえたらという気持ちで場を提供しています。海と山のバランスがよく自然に寄り添える南房総はそんなリトリートにもピッタリで、ここでオープンできて良かったなと思います」

気持ちのよい空間が広がる『SUNAO Retreat 奥白浜』

移住検討者へアドバイス

「挑戦がしやすい環境だと思います」

「南房総は、まだまだやれることがたくさんある場所です。まだ南房総でやっていないことがたくさんある。自分が挑戦したければ挑戦しやすい環境だと思います。起業のサポートもあり、親身になって相談にのってくれます。あと、南房総の人はみんなオープンであたたか。人との良いつながりもたくさん生まれますよ」 (本記事の内容は2021年取材当時のものです。)

ポスト

シェア

People

「田舎暮らしのための農業という選択」

青木真志さん・佳子さん(移住歴2年)の移住の決め手

「タイミングをつかんで海辺の暮らしを実現」

渡辺友和さん(移住歴7年)の移住の決め手

「市の職員になったからこそのつながりがある」

村山俊樹さん(移住歴7年)の移住の決め手

「生活と陶芸が、ひとつながりになった」

志村和晃さん(移住歴4年)の移住の決め手

「いろんな農家が活躍している場所」

齋藤伸哉さん・冬美子さん(移住歴6カ月)の移住の決め手

「東京で挫折して訪れた場所が人生の新天地になった」

守井朗さん(移住歴4年)の移住の決め手

「原点であり、やりたいことが実現できる場所」

白井健さん(移住歴14年)・芙季子さん(移住歴8年)の移住の決め手

「自分に合った理想の農業が始められた場所」

五十嵐早矢加さん(移住歴5年)の移住の決め手

「ご縁でつながる南房総生活」

藤井俊如さん・美津子さん(移住歴10年)の移住の決め手

「夫婦で地域おこし協力隊!から始まった」

相川武士さん・千晶さん(移住歴4年)の移住の決め手

「心地よい距離感の場所で過ごす」

川上晃弘さん・亜希子さん(移住歴3年)の移住の決め手

「仕事をしながら子どもと過ごせる」

工藤紘佑さん(移住歴1年半)の移住の決め手

「利便性と波の良さが両立できる」

吉川祐二さん(移住歴13年)の移住の決め手

「モノづくりの場所としてピッタリ」

吉田尚洋さん(移住歴10年)の移住の決め手

「移住で子どもの夢をかなえる」

井上佐保子さん(移住歴2年)の移住の決め手

VIEW ALL