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頑張れ!ススキ

秋風にそよぐススキの穂。太陽の光を受け輝いています

 

ススキは日本の秋を代表するイネ科の多年草です。俳句では秋の季語となっており、古くは万葉集に和歌が多く収録されています。
十五夜にはお団子とともにススキを飾りますが、切り口が鋭いススキには魔よけの力があるといわれ、災いなどから収穫物を守り、翌年の豊作を願う意味が込められています。

また、ススキはかつて茅葺(かやぶき)屋根の材料や家畜の餌として利用されてきたため、集落の近くにススキ草原(茅場)があったそうですが、時代とともにその需要は減り、刈られなくなったススキ草原は雑木林へと遷移しました。

日本人なら誰もが知る身近な植物のススキですが、現在では生育環境が似ている外来種のセイタカアワダチソウに追われ、以前に比べ見かけることが少なくなりました。

セイタカアワダチソウは明治時代に北米から日本に持ち込まれた外来種ですが、根には他の植物の発芽を阻害する物質(アレロパシー)を含むため、日本古来の草花は次々に駆逐されてしまいました。一方、皮肉にも北米に渡ったススキは日本におけるセイタカアワダチソウと同様、侵略的外来種として現地の植物を駆逐し猛威を振るっているそうです。

セイタカアワダチソウで一面覆われた休耕地

所々でススキとセイタカアワダチソウがせめぎ合っています

 

現在、日本ではススキとセイタカアワダチソウの攻防が繰り広げられていますが、近年はセイタカアワダチソウが自身のもつアレロパシー作用で成長が阻害され、以前に比べ勢いが衰えてきたと考えられています。

日本の秋を象徴するススキ。光り輝くススキとともに日本の風情が戻ってくることを期待しましょう!

 

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