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「美しい姿の花を届けたい」安房拓心高校でシクラメンの葉組み作業

慣れた手つきでシクラメンの株を整える3年生の生徒

 

 

市内唯一の高校である千葉県立安房拓心高等学校(以下:安房拓心高校)は、文理・園芸・畜産・土木・調理の5つの系列を持つ総合学科の高校です。

毎年、園芸系列では大鉢のシクラメンを実習で栽培しており、令和4年度からは南房総市のふるさと納税の「思いやり型返礼品」として全国の寄附者へ届けられています。
今回は、3年生がシクラメンの株を整える作業を行うということで、取材に行ってきました!

取材に訪れたのは11月上旬。シクラメンが栽培されているハウスを訪れると、前回7月の取材時よりもさらに大きな7号鉢(直径21㎝)に植え替えられていました。そして植え替え後にはシクラメン特有の「葉組み」作業が3回施され、こんもりと葉が茂ったボリューム感のある株に育っていました。

「葉組み」とはリング状のワイヤーを利用して葉を外側に広げ、花芽を中心に寄せる作業です。株の形を整えるだけでなく、中心部に日光を当てることで花芽が育ちやすくなります。また、風通しもよくなり、カビや病気を防ぐ役割も果たしています。
葉組みは一枚一枚の葉を手作業で外に広げていくため、大変手間のかかる作業ですが、大株のシクラメンを育てるうえでは欠かせない作業です。

球根の頭頂部に日光を当てることで、花芽が育ちやすくなる

 

 

この日もシクラメンの株姿が少し乱れてきたということで、3年生がリングを使用して葉組み作業を行いました。生徒たちは慣れた手つきで葉を外側へ、花芽を内側へ寄せていました。

茎は意外と丈夫で、多少引っ張っても簡単にはちぎれないそう

 

 

生徒たちが作業を行う中、今年のシクラメンの状況について園芸系列の竹生田先生にお話を伺いました。
「例年、この時期には花が咲くのですが、今年は猛暑の影響で生育が遅れています。今、花を咲かせているのは、11月中旬に行われる文化祭『拓心祭』で先行販売する早生品種のものです。ふるさと納税の返礼品として栽培しているものはまだ花が咲いていないので、出荷できるのはおそらく12月になると思います」

シクラメンの生育状況についてお話して下さった竹生田先生

 

 

また、竹生田先生からは、園芸系列の生徒が育てたシクラメンを、文理系列の3年生6名が課題別研究の一環として「南房総いいものライブ直送便」でPR販売を行うという取り組みもご紹介いただきました。
ライブ配信のアーカイブ動画では、シクラメンのお世話の仕方についてご紹介しておりますのでぜひご覧ください。

動画は南房総いいものライブ直送便で文理系列の生徒がPR販売を行った時の様子。他の系列と連携できるのは総合学科の高校ならではの取り組み

 

地元住民からも大人気の安房拓心高校の大鉢シクラメン。ふるさと納税の返礼品としてはお届けまで少しお待たせしてしまいますが、お手元に届いた後は、初夏頃まで長く花を楽しんでいただけます。
生徒たちが心を込めて大切に育てたシクラメンをぜひお楽しみください!

大鉢のシクラメンを手に笑顔の3年生。2024年の「拓心祭」で販売されたシクラメンは午前中で完売しました!

 

※今年のシクラメンのふるさと納税の返礼品としての受付は終了しております。来年の受付は2025年7月頃からを予定しております。

 

【番外編】

取材に訪れたこの日、園芸系列の体験として1年生が大根の収穫作業を行うということで見学させていただきました!
9月上旬に生徒がそれぞれ種をまいた大根は、途中間引き、土寄せを行い、約2か月間で収穫時期を迎えました。大きく育った大根を前に、生徒たちは嬉しそうに収穫していました。
収穫した大根は生徒がそれぞれ家に持ち帰るそうです。

嬉しそうに自分の大根を探して収穫する様子

採れたて新鮮な大根を手にニッコリ☺

 

 

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