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岩井海岸から地域活性化に取り組むローカルパワー。移住者たちと紡ぐ岩井の魅力と新たな未来

3kmほどの砂浜が続く岩井海岸は、遠浅の静かな海で海水浴に適しています。周辺には多くの民宿があり、夏には臨海学校や合宿などの利用者でにぎわうエリア。対岸には富士山が見え、富士山頂に太陽が重なり、ダイアモンドのように輝く「ダイアモンド富士」も見られる立地です。そんな地元を愛する、岩井出身の人たちによるまちおこし集団「i.PLANNER(アイプランナー)」と、アイプランナーのメンバーが立ち上げた交流施設「Re.AERU(リアエル)」、岩井にほれた移住者たちが立ち上げた「SHIP = SHIBUYA IWAI PARK」。岩井を舞台にした彼らの活動と、未来の展望を紹介します。

i.PLANNER(アイプランナー)とは

アイプランナー代表、渡邉由喜さん

 

i … iwai(イワイ)とinternational(インターナショナル)
P … project(プロジェクト)
L … local(ローカル)
A … area(エリア)
N … needs(ニーズ)
N … new(ニュー)
E … energy(エナジー)
R … repeat(リピート)

 

岩井・富山地区を元気に、おもしろく、楽しくしようと、25~35歳の若者12人で、2017年4月に立ち上げました。地元だからこそ知っている地域の魅力をSNSで発信しながら、ビーチクリーン活動や体験イベントの開催などを行っています。

 

Re.AERU(リアエル)とは

リアエル運営会社の代表、福原巧太さん

 

1階に集中部屋や会議室、キッチン付きオープンスペースを設け、2階には個室やドミトリー、コミュニケーションスペースを設けたゲストハウスを設置。宿泊やイベント、仕事も遊びも、誰かに出逢えて誰かと和える(混ぜる)、交流拠点です。

 

SHIP(シップ)とは

左から、磯村芳子さん、シップ代表 牧野圭太さん、竹本萌瑛子さん

 

廃校になった渋谷区所有の「東京都渋谷区立富山臨海学園」を、株式会社DEが借り受けて再生し、海の家や釣り、マリンアクティビティの拠点など、新たなローカル複合型施設へと生まれ変わらせている最中です。2024年の夏にプレオープンし、進化しながら2025年夏のグランドオープンを目指しています。

 

岩井の魅力

岩井生まれ、岩井育ちのアイプランナー代表の渡邉由喜さんは、「生まれ育った町だから、住めば都。都会の便利さはないけれど、失くしたくない」と、岩井について話します。船乗りになるために他県の海辺で過ごしたこともありますが、海岸は遊べる環境ではなく、「機械みたいな海だった」と言います。遊べる海岸がある岩井の海が好きで、一年を通して浜で過ごしているそうです。

 

SHIPのプロジェクト代表である牧野圭太さんは現在、岩井と都内の二拠点生活をしています。初めて岩井を訪れた2021年の夏、海岸に出てみると「海の家があって、そこそこ人もいて、落ち着いた空気があって、素敵だなと思いました。適当に歩いていたら、この学校があって、いい空気で、人も穏やかで」と、当時を思い出しながら岩井の印象を語ります。

SHIPの敷地内

 

牧野さんは、南房総で活動する南房企画株式会社を設立しました。同社の広報として活躍する竹本萌瑛子さんは、「通うたびに好きなる場所で、流れる空気が波と同じで穏やかです。素敵な方がたくさんいます」と岩井の印象を話してくれました。

 

Re.AERUでi.PLANNERとSHIPが出逢って混ざった結果

地元の人に、「受け入れてもらえるか怖かった」と漏らした竹本さんですが、南房企画株式会社の副代表で、南房総に移住した磯村芳子さんは「民宿の町なので、受け入れる特性があると思います。アイプランナーの存在が大きくて、自分たちだけだとできないことが多いです。祭りのときもここまで練り歩いてくれて、告知にも協力してくれて助かっています」と、話します。

アイプランナーとシップの出会いは、リアエルでした。リアエルを運営し、アイプランナーの副代表でもある福原巧太さんは、牧野さんとの出逢いを振り返ります。

リアエルの外観

 

「シップがクラファン(クラウドファンディング)をやっているのを見て、気になっていたらたまたま牧野さんが来てくれました。年が一個上ですぐ仲良くなって、ここで2時間くらい話していました。3月に出逢って、4月にはアイプランナーに入ってくれました」

南房総エリアだけでなく都市部と結ぶハブ施設として、誰かと誰かを和える交流拠点を自ら体現している福原さん。

「東京よりもこっちの方が、濃い出会いがあっておもしろい」と話す牧野さんの理想は、子どもを遊ばせて親がのんびりできる、みんなが使える公園です。10月には、地元バンドのライブを開催したり、毎年アイプランナーが実施しているハロウィンイベントを、シップで開催したりしました。

また、シップのイベント参加者がリアエルに宿泊することもあり、相乗効果を生み出しています。「ぼくらにできないことを、シップはできる。実行しながら彼らが渋谷に発信してくれれば、相乗効果になります」と、福原さんは話します。

 

遠くのHAWAIIより近くのIWAI

可能性や発展性などのポテンシャルは高いけれど、それを伝えるブランド力が足りないと感じた牧野さんは、岩井の良さをみんなに伝える仕事がしたいと思ったそうです。そんな牧野さんが目指すのは、ローカル複合施設。宿泊棟をホテルに、食堂はレストランに。ビールとジンの醸造所をつくり、SUP(スタンドアップパドル)やシーカヤックのスクールと連携した、マリンアクティビティの拠点にします。

イメージが描かれた絵 作画:イラストレーター 大桃洋祐氏

 

「地元、観光客、渋谷の若者や子ども、お年寄り、誰でも来て楽しんでもらえる公園兼複合施設にしたいです。私たちが民宿を紹介して、地元のことを発信して、ハブになれたら。たとえば、コーヒースタンドでは、地元の近藤牧場さんの牛乳を使っていて、そのおいしさに驚くお客さんもいます。そんな方に近藤牧場を紹介すると、牧場まで足を運んで買いに行かれる方もいます。こういうことがどんどん起こればいいな、と。ここは、いつでもふらっと自由に来て、家とか移住について相談できる場所であってほしいと思っています」

広いグラウンドには、ヤギの「シー」と「プー」がいる一角も

 

リアエルの福原さんは、地元と交流できるイベントをやりたいと話します。
「毎年、ダンスをやっている高校生が横浜から来て、ここでBBQ(バーベキュー)をやっています。今年は70人の学生たちが、シップの体育館で合宿をしました。民宿で団体需要を広げて、団体を受け入れられる町になっていければと思います」

 

アイプランナーの渡邉さんは、「子どものころ、自然と遊びながら育って楽しかったから、自分の子どもや地域の子どもに何もないって思わせるのが嫌で、何かしたかった」と言い、地引網体験やビーチクリーン、ビーチフェスの開催など、岩井海岸でのイベントや活動を積極的に行っています。告知はInstagramとFacebookで行っているので、確認してみてください。

地引網体験の様子

 

わざわざハワイまで行かなくても、東京から高速バスで90分の場所に、美しい海と景色が広がるイワイがあります。生まれ育った故郷である岩井を大切にしながら、発展の道をさぐるローカルの人たち。縁があって岩井に導かれ、移住や二拠点生活をしながら岩井の魅力を伝えようとする人たち。いろいろな立場の人が関わっていますが、岩井を盛り上げたい気持ちは皆同じです。彼らがどんな人たちと出逢って、混ざりあいながら発展していくのか、今後が楽しみでなりません。

 

【関連リンク】

i.PLANNER Facebook

i.PLANNER Instagram

Re.AERU

SHIP = SHIBUYA IWAI PARK

SHIP Instagram

 

 

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