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新しい形のつながりを。自給自足スキル×地域コミュニティ×地域課題を学ぶ「ヤマナアカデミー」

南房総市・三芳エリアで、シェア里山という新しい形で都会と南房総を継続的につなぎ、関係人口を生みだしているヤマナハウス。実は、日本各地で問題になりつつある獣害・少子高齢化・里山維持・空き家などの地域課題へ新しいアプローチを続けている場所でもあります。そのアプローチのひとつが今回ご紹介する「ヤマナアカデミー」。今回は「ヤマナアカデミー2023」にスポットを当て、ご紹介していきます。

「ヤマナアカデミー」とは?

ヤマナアカデミーでは、忙しく過ごす日々をより心地よく、豊かにするヒントは自然にあると定義し、都市で暮らしながら根源的な知恵やスキルを実践で学びながら、社会課題をリアルに感じ考えることのできる全5回のプログラム。まさに、専門的な学びを得られるアカデミーなのです。
2022年度も実施され、多くの参加者が集まり(昨年度の様子はコチラ)、2023年度は「里山料理と発酵食」「空き家DIY」のふたつのコースで展開しました。

 

「ひと手間」で日々を豊かにする「里山料理と発酵食」コース

「里山料理と発酵食」コースでは、地域資源とも言うべき野草や地元野菜といった里山素材を、南房総エリアで活躍する料理家・農家を講師にむかえ、学び、調理し、味わいました。

春から秋に実施され、春には南房総の海で獲れたイワシを使ったアンチョビづくり・ハーブ料理、秋には漬物づくり・秋の田んぼ見学・ジビエ料理・味噌づくりなど、南房総の素材を活かした充実した内容で、19名が学びました。

単なる料理教室とは違い、地域の高齢化による人手不足や里山の荒廃などが原因で潜在的なフードロスになってしまっている地域素材、今失われつつある昔ながらの里山の知恵、南房総の隠れた豊かさ、便利さではなく「ひと手間」「ちょっとした手仕事」から生み出される付加価値など、現地で実体験するからこそ感じ得られるものも大きいプログラムとなりました。

 

満員御礼!実践度の高さが人気の「空き家DIY」コース

実際の空き家をDIYでリフォームする「空き家DIY」コースは希望者が多く、すぐに20名の定員が埋まり、すでに2024年度も実施が決まっているほど人気のコースです。

大きな特徴は、実際に空き家となっている物件が実践の場となることでした。原岡桟橋で知られる、南房総市富浦町原岡に建つ築40年の空き家でのDIYを解体前の状態から始めることで、空き家の実態や空き家を選ぶときに注意したいポイントを自分の目で見ることができます。さらに、解体から実践できると、家屋の構造やどこを解体しどこを残すのかなど、基礎から実践的な学びを得ることができるのです。ここが、DIYの一部の工程だけを体験するタイプのプログラムと大きく違うところでしょう。

また、座学も充実していて、建築工法の見分け方や大工の仕事、DIYでできる作業区分や実際に使う道具についてなどの実質的なDIYに関する内容はもちろん、空き家のリスクやメリット、購入時の注意点なども細かいアドバイス。さらに空き家の現状から空き家がもたらす地域への影響、空き家利活用事例と空き家を活かすエリアリノベーションの考え方といった、地域課題である「空き家問題」へのデータ的アプローチもありました。

参加者は、実際に移住予定があり空き家を購入した人、移住を検討している人、空き家を物件として購入したい人、古い実家を相続予定の人など、DIYスキルへの興味に加えて空き家の活用に関心のある人が多く、また空き家という社会課題や地域コミュニティに興味があって参加したという若い世代も複数いて、このコースが今の新しいニーズに応えていたことを示しています。

 

「ヤマナアカデミー」独自のアプローチが魅力

ヤマナアカデミーでは、知識のインプットと自ら手を動かして実践するアウトプット両方が一度にできますが、そのインプットとアウトプットの質を上げているのが、地元南房総エリアで活躍する講師陣やスタッフとのコミュニケーション。

里山料理コースでは、地元の食材をあますところなく使って出張料理をふるまう里山料理家・木村優美子さんを中心に、人気の農家レストラン「百姓屋敷じろえむ」の稲葉彰子さん、ハーブやイタリア野菜などを栽培している「大紺屋農園」の足達智子さん、手作りの米や醤油を使ったメニューを提供する「Cafe&ガラス工房 海遊魚」の東愛乃さんが地元食材の知識やレシピを直接伝授。
動画や文章では分からない、ちょっとしたコツやエピソードを実際に見て聞いて質問して学べるので、素材やレシピへの愛着がわき、講座を離れても実践を続ける意欲になります。また、実習や交流会を通じて講師とのつながりを感じることで、南房総への再訪のきっかけにもなったことでしょう。

空き家DIYコースは、空き家DIYアドバイザーの横山知由さんがディレクションし、地元大工の佐々木義将さん、南房総でDIYerとして活動する高橋新志さん・上野彰一さんが講師を務めました。

佐々木さんは「DIYはやればやるほど楽しくなってくるので、DIYが好きになってくれれば嬉しいなと思う」と話し、建築のプロでありながらDIYに挑戦する参加者へ親身になってその技を分かりやすく伝えてくれ、DIYerの二人はフットワークの軽さを活かして参加者の作業前後のフォローや具体的なDIYの悩みにも答えていました。

また、実際に作業をする空き家の並びには、ヤマナハウスメンバーが手掛けるリノベ貸別荘「ハラオカハウス」とオープンスペースの「ハラオカガレージ」があり、エリアリノベーションの実践と実績を実際に見て体験することができました。さらに、講座後の夕食交流会(3回)でも地域コミュニティや地域プレイヤーとの出会いやつながりが生まれ、南房総とのつながりも大きくなったのではないでしょうか。
参加者からは、「これまで受けてきたDIY講座より実践的だった」「両親から相続予定の住居を活かしたいと思って参加したので、空き家を実際にDIYできて参考になった」「今現在南房総市内で古民家を探している。次回の講座にも参加予定」「DIYだけでなく地域コミュニティに参加でき、興味深かった」といった満足度の高い感想が出ていました。

ディレクターの横山さんは「空き家の増加は日本各地で社会課題となっていますが、その利活用は空き家問題へのアプローチでありつつ、移住促進や地域や経済の活性化、再利用によるSDGsの取り組みにもつながっていくもので、その一歩にDIYがなればと思います。日本では家屋のケアはお金で解決しがちですが、ヨーロッパでは自分で手直しし住み続けて育てていくのが基本。日本でも同じような考え方が広まると良いなと思っています」

 

自身の興味関心と今の時代に合ったスキルとつながりを得られるヤマナアカデミー。南房総で一緒に学んでみませんか?

 

ヤマナアカデミー(随時、新コース開設予定)

ヤマナハウス

 

【関連リンク】

里山で暮らすことに新たな価値や意味を見出せる場所「ヤマナハウス」の魅力

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