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ワタシの移住の決め手
「市の職員になったからこそのつながりがある」
村山俊樹さん(移住歴7年)の移住の決め手
家族構成(移住当時)
村山俊樹さん(26)
/美岬さん(23)
/紗雪さん(1)
/一禾(いちか)さん(移住後の2022年生まれ)
移住歴:8年(2015年~)
移住エリア:千葉県市原市→富浦エリア
田舎に移住したいけど、家族を養っていくだけの収入を得られるか不安に思う人もいるでしょう。そんななか浮上するのが、安定感のある“公務員”という選択肢。2拠点生活を経て、前職を続けながら移住したのち、市役所の職員に転身した村山俊樹さんに現在の話を伺いました。
仕事を続けながら、週末は南房総へ
2023年4月から南房総市の職員として仕事をしている村山さんは、生まれも育ちも市原市。美岬さんは、南房総市富浦町の出身です。2人は、当時住んでいた市原近辺で、学校などの施設や駅に近い場所という条件で家を探しましたが、なかなかいい物件が見つかりませんでした。
「上の子もまだ小さかったので、実家が近い方が妻も過ごしやすいだろうと思って。じゃぁもう、こっちに来ちゃおうかって話になりました」
南房総で家を探してみると、駅や学校に近いだけでなく、高速のインターや高速バス乗り場にも近い便利な場所が見つかり、美岬さんと紗雪さんが先に移住することに。
当時の営業職を変える決断ができなかった村山さんは、市原から職場のある習志野に通いながら、週末は南房総に訪れる2拠点生活を一年ほど続けました。その後、南房総へ移住。南房総から習志野まで、電車で片道2時間かけて通勤していましたが、木更津に異動することができたので、車で一時間弱ほどの通勤になりました。そして移住後も約5年間、南房総から木更津に通勤する生活を続けていたそうです。
新しい仕事に挑戦して広がったご縁
「下の子が生まれるってなったときに、妻が仕事に復帰したら妻に負担をかけてしまうと思いました。だったらこっちで仕事を探してみよう、挑戦してみたいと思って」
南房総市が職員を募集していることを知った村山さんは、採用試験に落ちたときは今の仕事を続けるつもりで、試験を受けました。
「こっちにずっと住みたいなという気持ちがありました。ずっと住むなら、市役所で人間関係含めて、人脈を広めたいと思っていました」
そして見事に採用試験に合格、市の職員という新たなスタートを切ることになった村山さん。環境保全課に配属され、犬の登録事務手続きをメインに、特定外来生物の問い合わせ対応やエコキャップ回収などの仕事をこなしています。
移住してからも長年市外に勤めていた村山さんは、「知り合いも友だちもいなかった」と、当時を振り返ります。今年初めて、地区の祭りに参加したという村山さん。山車を引いたり、獅子舞の舞を奉納させてもらったりしたそうです。
「自分のために練習する時間を作ってくれて、不安しかなかったけど周りが褒めてくれて、楽しく練習できました。失敗することなく無事舞うことができてよかった。やっと地区の一員になれたのかなと思いました」
今では地元のフットサルチームに参加させてもらうこともあり、どこかしらに知り合いがいる環境になりました。「ここ(市役所)に入ったからこその、人のつながりがある」と、笑顔をみせます。
時間に余裕ができて、変化したこと
多いときは往復で4時間も通勤に時間を使っていた村山さんですが、その通勤時間が無くなった今、紗雪さんは小学3年生、一禾さんは保育園児になり、美岬さんも正社員として仕事に復帰しました。いつもの生活はどんな風に変化したのでしょうか。
「余裕ができたぶん、家事を手伝っています。起きる時間は変わらず、5時か5時半に起きていますが、前は自分のことしかできませんでした」
朝起きてすぐに出勤し、22時や23時に帰宅するとすでに子どもは寝ているという生活から、17時半には職場を出て子どもたちを迎えに行き、18時には帰宅している生活に。「お互いに社員で働いていても、時間に余裕があって子どもの急病にも対応できる環境です」と村山さん。
徒歩圏内にある「道の駅とみうら枇杷倶楽部」まで子どもたちと散歩して、川沿いで遊んだり、帰りにソフトクリームを食べたり。南房総に移住してから、「歩いてどこかに行こうという気持ちになる」と言う村山さんは、海まで散歩に行くこともあるそうです。
移住検討者へアドバイス
「田舎だけど、有る。いろんなことにチャレンジできる場所」
交通の便がけっこう良いと思います。高速バスもあって都内に行きやすく、夜遅い時間にもバスがあるので、都会に行きたいと思ったらすぐに行ける。「田舎だから無い」と思わないでほしい。ちょっと車で走れば観光地もあるし、キャンプ場もある。やろうと思えば、いろんなことにチャレンジできる場所です。 (本記事の内容は2023年取材当時のものです。)