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あきや製作所 秋谷桃子さん

あきや製作所

・web:https://www.instagram.com/akiya_seisaku/

里山の中で作られる美しい木製家具たち

南房総市千倉地区の里山に佇む、かつての鉄工所をリノベーションした工房。窓から差し込む日差しが、大きな木工機械やさまざまな形の木材をほんのり照らしています。

この場所で木製家具や小物の製作をしている秋谷桃子さん。彼女が千倉で仕事をするようになったいきさつや、ここでの暮らし、これからやりたいことなどを伺いました。

◆ご出身とこれまでの経緯を教えてください

出身は、千葉県白井市です。

都内のデザイン専門学校を卒業した後に1年間、岐阜県高山市にある職業能力開発校で木工技術を学び、福岡の家具メーカーに就職して7年間、家具製造の現場で経験を積みました。

その後、2023年の10月に南房総市に移住し、翌年2024年に「あきや製作所」を開業しました。

【アントラーチェア】

【アントラーチェア】

【テトラスツール】

【テトラスツール】

◆もともと木工のお仕事をされたかったのでしょうか?

子どもの頃から、何かを作ることが好きでした。学校の授業でも図工の時間が待ち遠しくて。高校生になって、将来のことを考えたとき「自分で企画したものを形にできる仕事がいいな」と思ったんです。

当時は企業のブランディングに携わるアートディレクターが華やかに活躍していた時代だったこともあり、漠然と「アートディレクターを目指そうかな」と考えて、デザイン専門学校に進学しました。実際にいろいろと学んでみて分かったのは、やはり私は立体的なもの…自分で考えた形をモノとして作りだすのがいちばん好きなんだな、ということです。授業でクラスの仲間と木の小屋を建てたときの楽しさは今でも忘れられません。

「自分で考えたものを自分の手で作る」ということを仕事にするなら、家具のような、実用的で手応えのあるスケール感のものがいいかな、と考えて職業能力開発校で実技を学んだ後、福岡の家具メーカーに入りました。

間近でみるとびっくりするほど美しい小物もすべて秋谷さん作 

【間近でみるとびっくりするほど美しい小物たち】

◆千倉で開業することになったきっかけを教えてください

いつかは生まれ育った地域の近く、関東を生活拠点にしたいと思っていました。それに、独立して仕事をしたいという思いが次第に強くなってきたってきたので、自分にできることを冷静に見つめ直し、考え抜いた結果、「工房を構えて家具や小物を作ろう」と決めました。

会社を辞めて、いったん実家に戻って工房を探しましたがなかなか見つかりません。不動産会社の物件検索サイトを使って物件を探し、関東近県を中心に多くの物件を見て回りました。

そんな中、中古の機械をまとめて購入するチャンスがあったのでそれを逃さず購入しました。その機械を預けてある関係で、「あと数ヶ月の間に工房を探さないといけない」…というタイミングで、運良くこの、元鉄工所の建物に巡り合い、開業することができました。

◆実際に千倉で、仕事、生活をしていて、どのように感じていますか?

とても良いところです。こんなに海に近いところで生活したのは初めてで、夜は波の音が聞こえることもありますし、風に乗ってやってくる潮の香りにもわくわくします。何よりも暖かい!寒さが苦手な私にとっては暮らしやすいと感じます。

近くを歩くと、外で立ち話をしている方をよく見かけますが、みんな笑顔。明るくておおらかな人が多い印象ですね。私が工房の外にいると、通りがかりの方に「何してるの?」と聞かれることも。「木で家具や小物を作っているんですよ」と説明すると「へーえ!」と納得してくれます。

◆これから、どのようなことをやってみたいですか?

今は、注文をいただいて製作したり、イベントに出展したりしていますが、2024年に工房を開いたばかりで、何もかもが、まだまだこれから。WebサイトやSNSなど、ネットの活用もしていきたいです。

地元のイベントにも出展する予定があり、この土地の方々ともどんどん交流し、つながっていきたいと思っています。工房の一角にショールームも設けたいですし、やってみたいことは山積みです。

イベントでの展示スペース

【イベント「木の家具40人展」での展示】

◆南房総市で起業を検討している方へ向けてアドバイスなどがありましたらお願いします

南房総市は気候も温暖ですし、土地の人々もオープンマインドで、生活しやすいと感じます。

東京都内をはじめ、首都圏内へ行き来しやすいので、イベントに出るにも販売するにも便利な地域です。近くに館山、鴨川といった大きな町もあって生活にも困りません。

いろいろな種類の工房に適した建物もどこかに眠っていて、探せば見つかるのではないでしょうか。モノ作りで起業したい方は、ぜひ、南房総市も候補に入れてみてください。

工房(建物)と秋谷さん

【工房の前で】

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