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田倉ファーム 田倉剛さん
田倉ファーム
・住所:299-2701
千葉県南房総市和田町花園181
・電話:090-8961-0331
・web:https://www.takurafarm.com/
・営業時間:9:00~17:00
南房総市和田町。上三原地区にある交流体験施設「自然の宿 くすの木」の近くに2年前に移住した田倉剛(たくらたけし)さん(35歳)。 今回は、理想の農業を目指す田倉さんのチャレンジに迫りました。
■田倉さんは東京の新宿区出身。大学を卒業後、都内のスーパーに勤務。それが農業に接する機会となりました
「都心に生まれ育った私は、土を触ったことはありませんでした。就職したスーパーでの配属が、青果部門。そのとき、農家を見学したのが農業との最初の接点で、農家を身近に感じました。」
「同時に、農家の現実を知りました。大変だなと思うとともに、農家に価格決定権がないことが課題なのかなと考えました。」
■いいものを作っても農家に価格主導権がないことが、農業の課題であると考えていた田倉さん。数年後、農業・農産物を取り巻く大きな時代の変化がありました
「農産物の残留農薬問題や産地偽装問題が日本で大きな問題となり、食の安心・安全が注目されました。私は食の安心・安全について深く考えました。結果、新たな道に進むため勤務していたスーパーをやめました。」
■スーパーをやめた後、趣味であるスノーボードを楽しみたいと宮城県へ移住した田倉さん
「仙台で営業の仕事をしていたときに、農家の方に出会い、野菜をもらったり、農業についての話をしました。生の声を聞くことで農業で稼ぐのは難しい、大変だと思う一方、課題が明確であったのでチャレンジしてみようと決心しました。」
■スノーボードだけでなく、登山も趣味の田倉さん。登山と農業に通じるものがあると言います
「登山をしている人は、もっと高い山に登りたい、チャレンジしたいと思うんです。農業も困難であるからこそチャレンジしたいと思いました。」
「農業は、作る技術だけでなく、顧客ニーズをつかむマーケティング力、販売のための営業力も求められます。つまり、ビジネスの総合力を求められるとてもやりがいのある仕事。
チャレンジ精神旺盛な私にぴったりです。」
■田倉さんの農業のスタートは宮城県内の農業生産法人でした
「この法人は、水稲、野菜栽培のほか、宮城県が推奨していた西洋野菜の栽培にも取り組んでいました。この法人は売り上げも伸びているし、直売所も経営している。ここで農業のイロハを学ぶことができました。」
「一方で、私はもっと安心・安全な野菜を作りたいとの思いが強くなりました。日本の食卓を支えるには、一定の生産規模が必要ですが、私は自分の農業の原点を求めようと独立を決心しました。」
■独立を決心した田倉さんが主要作物として考えたのが西洋野菜でした。西洋野菜が南房総市でのチャレンジのきっかけともなりました
「宮城での独立も考えましたが、西洋野菜の生産・流通を考えると立地は都心近郊が理想だったのです。」
「西洋野菜のマーケットが東京近郊であること。また、冬の収入を考えると温室のいらない場所が望ましい。そこで都心近郊で農業のできる場所はないか考えました。」
■南房総市でのチャレンジを後押ししたのが、1/f計画の堀内さんとの出会いでした
「移住前、サーフィンが好きな私は宮城から車を飛ばして南房総市へ来たことがあります。暖かくて海がとてもきれいなところだなあという印象を持ちました。」
「インターネットで南房総市、移住をキーワードに検索すると堀内さんの名前が出てきました。堀内さんに移住について相談したところ農地、住まいの事など親身になって動いてくれました。堀内さんがいなかったら、私は南房総市にいたかどうか。それくらい堀内さんの存在は大きかったのです。」
■それでは、田倉さんが感じる南房総市の魅力とは
「サーフィンに通っていたときから感じていた海や山の自然の美しさ。そして、野菜・魚等食べ物が新鮮でおいしい。さらに、都心から近いことですね。」
■現在、1haの畑で西洋野菜をはじめ、多品目の野菜を作る田倉さん。販売先は自ら開拓しています
「主にブログを活用した販売を行っています。東京のフレンチレストラン、イタリアンレストランなどです。最近では、私のブログを見て南房総市に足を運んでくださったシェフの方もいます。また、市役所の紹介で友好都市である東京都武蔵野市のアンテナショップでも月1回販売しています。おかげさまで好評いただいています。」
■チャレンジ精神旺盛な田倉さんのこだわりとは
「私が農業を考える原点である安心・安全な無農薬栽培です。そして、消費者からおいしいと言ってもらうことのできる西洋野菜をひとりでも多くの方に楽しんでいただくことです。」
「最近、近隣の若手新規就農者で南房総オーガニックという生産者グループを立ち上げ参加しています。同じ目的を持った仲間と農業の魅力を発信していきたいですね。」
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